小詩集【肯定ペンギンの消えたコロニー】/千波 一也
 

そんな家路をご存じ、
ですね


孤独の背中はなだらか、です

誰かの足にいたみやすくて
誰かの足をたやすく
さらい、

うさぎ、
いつかの昔のかなしいうさぎ、

ふるえていました

川をはさんで
ひとりずつ
ふるえていました


うたがいは無く
まっすぐ、でもない

ゆめと呼ぶには感じ過ぎるさなかは
やまい、でしょうか

ねぇ、ほたる




三、グリーン・ノイズ


赤信号に待たされること

そのうえをゆく安息は
無いかも知れない


 エバー・グリーン
 常緑の日よ
 きみを
 迎えるそのために
 花
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