「寒いよね」/Taka★Hajime
息が白く見えた。
夏が終わり、秋が来て、冬が来る。
そしてまた春が来て、新しいボクが生まれる。
それでも大人になれないボクは。
今も、この白い息が消える様を見ているだけ・・・。
すぐに消える白い息は。
心の鼓動と共に溢れてく。
白い息に寒い夜空。
どこかにある、ぽつんと聳える公園は。
今は水も出なく、人もいない。
ただ一つの街灯が絶え間なく照らしている。
そこでは息は透明で、けど寒かった。
冷たいままのベンチに、疲れ切った腰を休める。
手が悴むほどの寒さ、静寂な公園。
手を服の中に入れて、自分を抱いたら冷たかった。
でも、徐々に暖かくなっていく僕の手は。
どこか前よりも赤かった。
そして、また立ち上がった僕は。
また歩き出す。
一緒に歩く人を探す為に・・・。
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