まだ生きています/若原光彦
起きませんでした
私は自分が惨めになって
公園のぶらんこによじ登り
ぶらんこの鎖で首を吊りました
そうして私は死にました
自分の体の重さが首に集まってきて痛かった
それでもほら私はまだ生きています
私が公園で死んだ翌日
私は考えを変えることにしました
ひどい人生かもしれないが
人の役に立つことぐらいあるだろう
私は町のごみを拾いながら歩いて歩いて
ごみ箱を見つけると拾ったごみを捨てて
またごみを拾って歩いていきました
気がつくと私は見知らぬ土地にいました
ヘルメットを被った人がいたので私が近寄ると
相手は一目散に逃げました
私はおーいこの辺にごみ箱はないですか
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