その森の中程には/ウデラコウ
盤に 美しい十の指を並べて
それ以上に美しい メロディを奏でるのであった。
誰も
入り込めない
森の中程で
今も 聴こえるのだろうか
少女の その音色は
迷い込んだ 森の
中程で
少女は
一人
この世で一番 美しい音を
奏で続けているのだろうか
もしあなたが
深い森の側を 通ったとき
透き通るような 美しい音色を
聴いたならば
立ち止まってその森の入り口を 探してほしい
きっとその先には
時を止めた
魔法の演奏会が 今も 続いているはずだから。
戻る 編 削 Point(5)