知る銀色/結城 森士
 
スの闇の線、
 円の内側を流れて
 空の
 向こうの
 上の彼岸の
 暗雲の辺りから
 重い・・・・・・・・・・・・。
 呼吸が乱れて時計の音が
 永遠に鳴っていた
 こと)

不完全で透明な夜明けの空白

(が、
 永遠に鳴っていた夜通し永遠に笑っていた
 夕暮れは、402号室は、グラスの闇。闇の線の上を歩く)


あの日時計の針が永遠に壊れ、グラスが流れ
針が回っていなかったことを知った日のこと

例えばそれは永遠に止まってしまった偽善者
偽善者、偽善者、という彼女の叫び
声が水に映り、割れる、割る、
割れる悪夢の内側から
無機質な時計の音が
永遠に鳴り続けている
こと

感情は死してなお目覚めそれでも永遠に鳴っていたい
と願う幻想の記憶の中で、目覚め、虚ろ、
時々、その日を思い返すと
銀色の草花の匂いがする

(僕を殺した声を殺す為に
 知る銀色の声、声、声)
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