白猫とお婆さん。/もののあはれ
 
マイルドセブン。」

 と独り言を言いながら探してくれました。
 棚のずっと上のほうに積んである。
 マイルドセブンに気づいた僕は。

 『取りましょうか?』

 と。棚のほうに歩み寄り。
 マイルドセブン1ミリのワンカートンを手に取りました。

 「あら。ありがとうねえー。」
 「おばさんもう歳だからねー。」
 「よく分らなくってねー。」
 「ありがとうねえー。」

 と。お婆さんは言いました。
 ほんとうに有り難そうにお婆さんが言うものだから。
 僕はなんだか照れくさくなって。

 『最近は種類が色々あって分りづらいですよねー。』

 と。応じて鼻を
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