烈士国賊の首/構造
 
もせぬ以上
対処の仕様がまったくなく

出てきやがる顔にしても
般若だとか死に顔だとかでは
つかみのし難い顔でいやがる

こいつがおれの町屋やら
城砦を焼くかというと
なぜかポンプ車にひっついている
火事の鈴をえんえんと鳴らし
たまには音楽にひっついてくるから
油断もすきもありはせず
やはりやつの哀願怒気に
流されぬ俺は薄情なのだが
たまに伝導したうえで
名前をつけさせられそうになるのだ
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