追悼/
キメラ
夜汽車に逝き遅れた
9月の憂鬱
あまたの幸せも
あり余る愛憎も
空中で結ばれ
恐ろしく眩しい躇象
夢色のバッグが
燃えて灰になり
ラスベガスの幻光を狂わす
8月には深緑の名残
砕け散ったガラス玉と
蜘蛛巣だらけの廃墟
日光宝石
倒錯のプラントに
一昨日訪れた受難を
黄昏の瓦礫に積み上げ
あぁ
ラフレシアの寂しい唄を
聞かせてくれ
負けの栄光フラッグは風を拒んだ
言葉が形を失い
闇の蜃気楼
顔のない街に
祈りに
永劫に燃え上がればいい
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