オヤスミ/琉碧 翡翠
 
可哀相なママ

ベッドサイドに置いてある 煙草をゆっくり取り上げて
真っ赤な炎をゆっくりと その先端へと近づけた

「最近いつも泣いているママの 笑っている顔が見たくってね
ぶたれるのが痛くっても 我慢することにしたのよ。」


鳥も蝶も君も花もミツバチも 闇も音も風もベッドサイドの剃刀も
全部全部オヤスミなさい 今日はゆっくり眠ってね?
私が代わりに歌ってあげる だからゆっくり眠ってね?


……ねぇママ、どうしてそんなに鳴いているの?
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