そうなれると信じていた日/虹村 凌
 
くるくると廻り続けて
絵の具みたいに解けて混ざって光を放って
最後の最後には光も無くなって
そうなれると信じていたよ

あなたと手を繋ぐのはごめんだわ
私の手はあなたと手を繋ぐ為にあるんじゃないの
だめよ勝手に手を取っちゃ
唇みたいにはいかないわ

月と太陽でもあるまいし
ましてや映画でも小説でもない
あんたの手を取って遠くへ行こうとは思わない
とても怖くてあんたを連れ出せない

私はいつだってあなたを受け入れる準備は出来てるの
私はいつだってあなたを舐め上げる準備は出来てるの
なのにあなたの目は何を見ているのかわからない
あなたには5分後も見えていないでしょう
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