権力者の憂鬱/なかがわひろか
 
朝起きて
自分が権力者であることに
また
憂鬱を覚える

従属されたし者は
勝手に集う
募集をかけずとも
勝手に集う

更なる批判
とりあえずの反論
分刻みの日程
他国の干渉

己の命は
生活は
己で
守られよ

勝手に発言したらば最期
故に棒読みと
手の振り方を
強制される

夜寝る前に
自分が権力者であることが
夢であったらばと
権力者は願い
眠りにつく

(「権力者の憂鬱」)

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