眠れない夜、虹色の夢に支配される/結城 森士
 
白紙のような夜には

目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして(何処にいった)
      時を止めたようにさらさらと揺れているので―――――・・・落ちていく―――――
落ちていく記憶さえ
虹色の部屋に(留めておく)
  ハンモックを掛けよう―――――金色のイトで―――――――
天井を下に僕も一緒に揺れているので、自然と体が空中に浮かび上がっていく(空に、落ちていくような、不透明な)夜の意識、・・・意図。

(二重の僕は、いつもの様に)
          もう一人の自分が宙へ消えていくのを変わらない視線のままで見ている、輪郭のぼやけた赤い風船を見ている(いつだって、見
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