愛しき輝きよ/なかがわひろか
 
太陽はつまり私の奴隷である
私が生まれるよりも前から
その輝きを絶やすことなく
私に認められるように
地上を照らし続けた

私を見つけるように
ただひたすらに

奴隷となってからは
常に私の思うように
オレンジ赤ピンク黄色と
色を変化する

どんな闇に潜む者も
必ずや見つけ出す
全ての悪は白日の下に
全ての真実は焼き付くされる

しかし彼は
そう便宜上彼と称されるが
彼は
私がいなくなったら
どうやって生きていくのだろう
心の拠り所をなくしてしまう彼は
どうやって自我を生かし続けられるだろう

私はいずれ消えてしまう
彼よりも先に
そして
彼は
私よりも
ずっと
ずっと
生き続ける

主を失った奴隷は
最早私に従属するという目的を失ったまま
ただ消えるその日まで
輝き続ける

神とも崇められる
彼は
ただ
ただ
一人の
孤独な
太陽

(「愛しき輝きよ」)
戻る   Point(6)