とりのかげ/「ま」の字
 
  1.しりとり

とり
とりのかげ
翳りの棘 (いりーだ
とかげの森

 〈森
 〈森の陰の森



  2.とかげと森

きみは
森で石に抱きついている
とかげの心持ちを考えたことがあるか
いしの芯に残存するあたたかさを量り
大気のふるえを判じ そして空を見上げ 季節の運行を按じている
たダそれだけ
皮膚にあかい花咲かせて とかあげ



  3.日向の森、森の中の広場で

とカげの森の 棘のかげ
鳥影よぎる 日の真午
「イっツ diい だぁ!!
荒天に一旒 紅蓮たなびくごとき
くんれんちゅうの 兵士の口をもって
風に叫ぶではないか

とり
(とかげ
とりのかげ

宇宙の隅で 大いなる日の影に入(い)ろうとする大森林 より
命の水もたらせ

イチョウの木が散る

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