ネクストバッターズサークルにて/WILLY
他人の気持ちの分からぬヤツに
詩を書く資格はない
とスタンドから野次が飛ぶ
自分のことさえ分からぬヤツに
詩を読む資格はない
と背中から声がする
何千何万 バットを振って
汗を流して 涙をふいて
なおかつそれでも
ヒットが打てる保障など
どこにもない
確かな感性など
どこにもないのだから
稚拙と猥褻の狭間で
咀嚼と排泄の日常で
愛と憎しみを感じて
嘘とホントを探して
悪しきものと正しきものとの対決で
欲望の真実を感じて
見えるものと見えざるものとの対峙で
生命の宇宙を探して
他人の気持ちの分からぬヤツに
詩を書く資格はない
とスタンドから野次が飛ぶ
自分のことさえ分からぬヤツに
詩を読む資格はない
と背中から声がする
何千何万 コトバを編んで
首を捻って 瞼をおして
なおかつそれでも
自信が持てる自分など
どこにもない
でもボクは打席に立とう
さあ、出番だ!
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