うつくしいもの/哀音
それはあの 乾いた美しい青
真っ青な 雲一つない空が好きだ
しかしそれよりも好きな空がある
それは雲 二つ同じものはない美しさ
雲一つない空なんて 本当にそこにあるのか
判ったもんじゃない
もしかしたら 大きな空色のパネルを
ぶら下げているだけかもしれない
瞬きをする度に生まれる美しさがある
掴めないという事実が美しさになる
恋みたいだね
美しい思い出は いつだって片思い
とどまらない美しさに惹かれ
美しい恋に惹かれ
つまり
足下に転がる現実から
目をそらしたいだけなのだけれど
そこが人間の 美しさであるのだけれど
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