それから/ミゼット
襖の向こうには、四人の女が跪いている。
昨夜うっかり部品を落としてしまい
カヤコが動かなくなっている。
僕には珍しく覗き穴ではなく
腹全体を空洞にして、中に赤テントを吊るした。
無くしたのはそのテントを吊っているネジだ。
「カヤコ」
彼女はまぶたを閉じたままだ。
「ああ 困ったな」
堪らなくなって抱き寄せる。
代わりに彼女が答える。
万華鏡が穴の奥で回っているのだろう、かさりかさりと音がする。
「電灯の傘の上に隠したのよ。」
昨日私を吊るしたでしょう、そのときにそこへ置いたのよ。
「違うわ姉さん。その後で私がひやしんすの鉢に置いたのよ。」
むらさきの花
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