遠叫(TOKYO)/水在らあらあ
 
    それはきっと おまえも一緒さ
     うちの小さなオーブンで焼いた
      オリーブ入りのパンをちぎって
       俺が両手でちぎって なるべく痛いように


          ちぎって


だから
 怖かったんだろうね
  風が死んだりしてたろうから
   ビルヂングが アロガントに まばたきもせずに
    おまえを 夜を 見つめていたろうから おまえの切った


          キャベツの芯の そのなかで



なあ
 もうそろそろ
  おまえがあの聖水で満たされた
   噴水に飛び込んでも
    おかしくない時間だ
     俺はその底にいる
      俺はその底で
       ぬるぬるした
        やさしさのなかで



翻る おまえのスカートを見ている








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