そのとき「詩」は私を救わなかった/渦巻二三五
 
ていくための具体的方法を見つけられるようになって、私はいつの間にか「どうやって死ぬか」ではなく、夫と共に「どうやって暮らそうか」と考えるようになっていた。

 そのとき「詩」は私を救わなかったし、私は「詩」を欲しなかった。
 私を救ったのは、散文的助言と知識と行動だった。

 私は少しずつ、「生きていける」と思えるようになった。
 生きていくために、生きるよろこびのために、よろこんで生きるために、再び詩を欲するようになった。
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