「 あたしのあだしのくん、三。 」/PULL.
 






あだしのくんは、
ときどき冷たくなる。

あたしの隣で眠っていると、
あだしのくんのからだが冷たくなる。
あだしのくんの蒼白い肌が、
さらに蒼く透きとおって、
手も足も冷たくなる。
血の気が引いた唇からは、
か細い息が漏れ、
全身が震えて冷たく、
凍りついたようになる。
あたしは裸になって、
全身で、
あだしのくんを抱きしめる、
あたためる。
あだしのくんの震えはとまらない。
どんどん冷たくなってゆく。
あたしは恐くなって、
強く、
あだしのくんを抱きしめる。
ひとつになって、
あたしのあたたかさが、
あだしのくんに伝わ
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