空洞/DirectConnection
いつも、僕の心の中は空洞だらけ
心が満たされる事がない
押しては引き寄せてはかえす岸壁への波しぶき
自然に作られた洞穴には幾つもの鍾乳洞
海鳥さえずる荒い白波
虚言と幻想に惑わされ
幻聴とテレパシーに導かれる
たどり着いた先には漆黒の暗闇
ただそこからもれる一筋の光を頼りに彷徨う
その光は意地悪で、灯されては消え
また、灯されては消える
何年経つだろう、意地悪な光に導かれしこの運命
洞窟に足を踏み入れてから、
鍾乳洞の甘い汁さえ飲むことの出来ない現実
自ら赴いた訳ではないその洞窟には
そそのかれた話で創られた
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