黒夜神/キメラ
 


どんより
平穏な昼さがりに
風が渇いた

靡いた薫りは
わたしにも
洗濯物のように
懐かしい情緒でした

唐突が
悠々と大空を
雲海をかきわけ
未知数の心揺交々
いにしえから
来たのでしょうか

たちまち
永きは儚きを纏い
世界に
終わりがやってきます
いいえ
銀河の果てのあたりまえなのでしょう


知らないことが
やけに気になります


巨大な魔女は
遂に
薄暗い
不安のハレイに跨り
ゆっくりと
雲海をかきわけ
具体性を降らせました


哀しみなどを
むねの全てにするのは
およしなさいな

地上には
護りたい戒律が
認識内で
力無く散らされた
花火のように
しきりと
叫んでいる様です

そう
空から
魔女が降ってくるのは
こんな四月
護りたいものも
いつしか
雲海をかきわけ
未知数へと
淘汰されました


おかしいでしょう

だって
わたしもあなたも
ふいに
かおを見合わせては


一頻り
戸惑ったりもしたものですから





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