花魁【其の二】/
ごまたれ
なければならない
気丈さは足りているのか
目には強い光が宿っているのだろうか
隙を見せ入り込まれては一大事だ
この夜の海ような静けさを
心の真ん中においておかなければならない
くずれるときは
きっと瞬く間に一気に転げ落ちてゆく
いっそそうなってしまえばいいという小さな願いは
この薄笑いの口の端に秘めておく
早く春になり
桜でも舞い散ってくれれば
まだ無邪気に笑える気がするんだが
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