無意なる旋回(改)/「ま」の字
 
らびた
おとこらのくらい声でもなかった

かぜふけよ

とりたちは旋回し
空に
巨大なる尖底の土器のごとし
飛行してこそ表象される
かつて炎であったものらのかたなみ
さむざむとひろがる褐色の海にひらたべた 泥土のうわそらを
おびただしく
在り 裂き 旋回し 
汝(ワレ)ら
鋼の描線
か 
飢えテ ひラびた
真理 カ

 アアル、 アあル、 Ahr、 あアル、

汝(ワイ)ら 
海を失って空を飛ぶ
なぜにいまさら

 ・・・・・・・・・・

そらに
魚に非ざるものら飛び交い

ふしぎに旋回(まわ)り
遷り去(ゆ)く

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