パルプンテ/大覚アキラ
おれは今日
すれ違った女子高生の
毛先15センチの緩やかなウェーブが放つ
甘いフローラルの香りに潜む閃光に
一撃で命を奪われてしまいたい
そんな気分なんだ
ベギラマ一発で瀕死に陥ってしまう
おれの経験値なんて
その程度だから
仕事なんてバカらしくってやってらんない
あんただって似たようなもんだよ
漫画喫茶の一番奥の薄暗いソファでは
三年前に自殺したはずのK部長が
ずっとドラゴンボールを読み耽っていて
たまに大きなアクビをしている
三年前にはただの冴えないデブだった部長は
今じゃまるで
偉大な黒魔導士かなにかみたいだ
部長
こんどおれにマホカンタでも
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