それは頑なに拒み続ける/
 
紅葉の気配が深くなった
山の端も入れず
ただ 高くなる青の中に
馴染めないこの身の
煩わしさを
どのようにして
拭えばいいのだろうか

右端から赤とんぼ
群れをなし
やがて青に融け
とんびの旋回が
連なる山頂の向こう側に
消えてゆく

此処ではポプラの木が
同じ方向にしなり
ゆるやかに
時には葉音を奏でる

風向きが変わる
靴底で踏み付ける砂利の音が
鼓動と重なる
額縁の外側から
入り込めない作者のように
塗りたくられた色を
ひとつひとつ
区切ることでしか
かかわれない
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