僕を起こしたのは/水町綜助
 
を使って
吹き流れる風には
君のにおいが沢山付いている
耳に風鳴り
遠くへ遠くへ
いつか僕の髪の毛から君のにおいがすべて飛んで
そしてすべての
君が触れた僕の髪が生え代わったら
それに気づいて僕はなんという言葉を口にするだろう

調子っ外れの歯笛

僕は自分に幻滅して瞼をとじる
色を塗りたくった瞳は黒のみを映し
僕は眠ることになるけど
それはほんの少しの間だよ
窓がたたかれ
僕は目を覚ます
川沿いの路上
五月の空気

僕を起こしたのは


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