言葉を忘れた/ウデラコウ
 
本当に




君が ――――







言葉を忘れたんだ。



だから もうあたしは 存在できない






闇が  すぐそばで 手招きをしてるんだ






冷たいけれど 全てを覆い隠してくれるような
泥が もう片足を 浸してるんだ











別れるときは 君になんて 言おうと思っていたんだっけ






もうわからないや


全てが 気だるく 酷く緩慢に 動いていくんだ




言葉を 忘れてしまったから



僕の存在を アレが 消しにきてるんだ




ほら、だんだんと



朽ちていく

















最後に 君に 言おうと思っていた言葉は



なんだったっけ?






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