ひかり/大覚アキラ
 
眠っても眠っても
眠り足りないような気がして
おれたちはまた
神々しい朝日に照らされた
やさしい窓辺に憧れるけれど

結局は為すすべもなく
裏切られた負け犬の
濁った目玉の底みたいな
悲しい色のシーツを手繰り寄せて
忘れるためだけに
もう一度眠りの底に潜ってゆく

喰い散らかしたあとの
切なさとか
やるせなさみたいなものを
コップの水と一緒に流し込んだら
どうせまた
同じような一日が
恩着せがましくリスタートする

いつの間にか
おれたち二人とも
たいして悲しくもないのに
悲しいふりをするのが
ずいぶん上手くなったものだと
口の端のほうで
少しだけ笑って見せたら

ほんの少しだけ
やさしい気持ちを思い出した
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