紙芝居/
砧 和日
冬が来て りんごが
日毎に軽くなっていると わかった
まもなく分銅の 劣化がはじまり
正しい数値を知ることは 出来なくなったけれど
思いのほか冬が 長く続き
ある朝りんごは ついに消滅していた
たくさんの困難も あったけれど ようやく
重さが0になったに 違いなかった
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