シャムはダンスを踊れるか/朽木 裕
 
抱えた哀しみまでそっくり瓜二つなんて
神様は本当に酷なことをする

心のやわらかい場所で繋がる君と僕の
その温度の共有こそがすべてだったというのに

目を離した隙に君は遠くへいってしまった
羽根もないのに君は空を飛んだ

本当だよ まばたきの間に太陽がかくれたんだもの

赤い靴はもう踊らない

僕はピエロのように手を差し伸べたまま動けない
あの日も今もシャムの哀しみはうずくまったまま

赤い靴はもう踊れない
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