お仕着せの愛の洪水の中で独りぼっちと呟いたバカ/ヌヌヌ
 
スプレー缶にキャップをつけるのが彼の仕事だ
両手に1ヶずつキャップを持って待っていると
ベルトコンベアに乗ってスプレー缶が流れてくる

右左 キャップを持つ
右左 キャップを持つ
右左 キャップを持つ

3分で意識が飛ぶ
ベルトコンベアに乗って
ベルトコンベアーというクマが流れてきて
あめをくれと言う
のどあめを放ってやったら
うれしそうにそれを耳の中にしまった
ベルトコンベアーはお礼のつもりか
ベルトコンベアについたクランクをまわしはじめた
ベルトコンベアーはベルトコンベアの動力なのだ
ベルトコンベアを動かすベルトコンベアー
耳の中はあめでベトベトなんじゃない
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