華やぐ秋に・・・/Lucy.M.千鶴
 
1時限目が つぶれた 朝
キャンパスの 帰り道

銀杏並木に
ふたり

きみは
華やぐ 銀杏 舞い散る中

静かに
愛を 告げて くれました。

さっき
あがった ばかりの
雨のあとには

見たことも 無い程の

大きな 虹が 架かっていた


恒例の
暑中見舞いが
返らなく なった 夏───。


きみの いない 夏が
幾度も 過ぎて・・・

また、この季節が
めぐって 来た。

今、きみは 
誰と 愛を感じて
どんな 並木道を
歩いて いるの?

きみの心にも
あのときの 虹の橋が
今も 架かって いるなら

わたしは
それを 渡って
きみに 逢いに
ゆけるのに・・・

秋の風が
もう 冷たくて

叶わぬ 想いを 封印するように
華やぐ 銀杏の 舞い散る中

わたしは そっと
窓を

閉めた。
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