バルタザアル   アナトール・フランスを読んで/砂木
 
わからないのだ。
しかし 王の心も すでに変わった。
真理を求める事に己をみいだし 神に心を開き
より 広い世界の王たろうとする道をみいだしたのだ。
世界の前に 女王はあまりにも狭い。
自分の中で 自己陶酔している女は 役に立たない。
しかし もしこの女王が立派な人で 王を大事にし
人につくして やすらぎを与えるような人だったら
王も やすらぎの中で育むものに満足して
激しくつっぱってまでも 真理の勉強などしなかったかもしれない。
異性の魅力といっても いろんな面があると思うのだが
それに打ち勝って 手に入れる開けた世界も救いであると思う。
しかし 自己愛にどっぷりひたる女
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