バルタザアル   アナトール・フランスを読んで/砂木
 
ひとめぼれというものの残酷さを知る人が読めば
若き王バルタザアルの旅立ちに救われるのだろうか。
心変わりについて かかれてあるように思う。
魅惑の女王にとって 一時 恋の相手となった王も
瀕死の重傷をおい倒れ なんの価値もなくなる。
心配もせず 祈りもしない。
すぐに別の王との 交際がはじまる。
地位も名誉も美貌も健康もある 女王という女。
もしここで この女王がやさしい人で 心底
王につくしていたら どうだったろう。
いや そういう女性だったら そもそも王は
瀕死の重傷など負わなかったのだろう。
ただ スリルと味を求めての道行きに誘う女に
若い王が騎士のように従う事に喜
[次のページ]
戻る   Point(3)