シュヴァルツェ・カッツ/
朽木 裕
シュヴァルツェ・カッツを追いかけて太陽を見失う。
別にどうでも良いのだけれど。
瑞瑞しい指先は白く膨張した溺死に似ていた。
あの日の笑顔に似ていた。
あの日に失った太陽に似ていた。
太陽は沈み尽くして最早上昇を知らない。
黒猫は逃亡し過ぎて最早、愛を知らない。
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