『ゴースト・ソング』/大覚アキラ
並べてゆく
神経を磨り減らす作業だが
黙々と並べてゆく
ドミノのように
ストーンヘンジのように
整然と
美しく
無色透明の爆音の列に
ある瞬間
突如立ち上がるもの
それは
意味を超えた
何か
それこそが
呪文だ
とても簡単で
誰にでもできることなのだが
言葉が
すべて呪文であるということを
知っている者は少ない
「降霊」
きのう真夜中に
屋上で吹いた口笛
聴こえたでしょう
風がないのに
煙草の煙がゆらりとなびいたのは
口
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