眩 暈 (0〜3)/水無瀬 咲耶
 
方で発火した流星たちは軌跡を描く

「夜の壁紙に 宝石が散りばめられると
 虚空を彷徨(さまよ)う箱船で子らは目を見開いた」

((あれハ?! )
   ((あやかし? )
     ((遠イ星ノ信号)
時を越えた鋭い矢が
絶え間なく 眼球を射抜き続ける
**やさしく 狂おしい 光速の祝福

「光は器で凝縮し 実りゆく血潮は希望
 まろやかに発酵する振動が
 銀鱗に透ける肌から
 あふれ」

      (ゆこうか))
    (ゆこう))
(そおれっ))
ぱちぱち足元がはぜ
銀の尾を牽(ひ)いて 私たちは流れはじめる
空を切り裂く 奮える光となり
拡大する地表を抱きしめながら
大気の管の底へ それぞれ煌いてゆく

   青い惑星の揺りかご
   まどろむ私たちは光
   の乱反射を繰り返し
   水底から沸き上がる
   産声を聴いたのです
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