鴎盟(かもめとの約束)/新谷みふゆ
そのうちね・・・ と
かもめとともだちになる約束をして夏が過ぎていく
飲み干した炭酸水は檸檬味
酸っぱければ酸っぱいほどよかった
冥王星が惑星でないと新たに決まった夏の夜だった
この世界の決め事は 人の眼から見てと云うことで
本来の姿は知れたものじゃあない
その都合を許せない時に その人の姿が見えてきた
その都合を許せた時には 物事の姿が見えていた
やさしいって云うのは機嫌のよさじゃあない
そんな歌が傍に来る
内側のことを考えても 愚かな分余計で邪悪なものが入り込む
ぎぃぎぃとあたしから音がする
いつか魚のような骨組みになるまで 軋み続けるのだろう
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