小さな家/tibet
の茶色よりももう少し薄い茶色の猫を抱いていた。
男は家の前で何かを待っている様子だったが、猫がニャーと鳴くと、間もなく家の中へと戻っていった。
萌ゆる緑と虫たちの調べ
煙突のある小さな家から男が出てきた。
森の木々たちはすっかりフサリフサリとなって、全ての生き物に憩いを提供していた。
ライトグレーの開襟シャツに白い麻のパンツ。麦わら帽子を頭に乗せていた。
ドアの下に開けられた猫用の出入り口から薄い茶色の猫が出てきて、男の足下から少し離れた男の影の中に身を置いた。
男はしばらく家の前で立っていたが、猫が家の中へ戻ると、程なくその後を追った。
雲は銀色に輝く魚たち
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