世界の果てまで来てしまった。/りぃ
全てから解き放たれたとその時思った
もう恐れる物が無くなってしまった
もうなにも怖く無くなってしまった
それから少しして
僕の友達は引っ越して行った
この世界から
どうしても行っちゃうの?
僕は聞いた
彼は黙って頷いた
何が不満なの?皆はこんなに自由になったって喜んでたよ?
彼は俯いた顔を上げた
泣きそうな顔だった
僕はこの世界が自由だとは思わないんだよ。
そう一言だけ告げた。
そうして僕らは別れた
今なら彼の言った事が分かる
罪も罰も無い
恐怖も無い
張り詰めるものが何も無いこの世界は
無秩序で恐ろしい世界だ
僕は空を見上げた
鳥が空の彼方へ舞いあがる
あの日
僕らは
永遠を手に入れ
自由を失った――
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