ミルクコーヒー/結城 森士
 
傾斜/午後の光
射す灰色の空は
立ち並ぶビルの
すぐ上に落ちて

夕焼けが始まる
前の憂鬱を伴った眩しい公園で
少女はぶら下がっていた/傾斜

「久しぶりに土の匂いをかいで
 あの日の透明感に帰りたい」
 と願う

眩しい憂鬱の灰色は
ビルの其処まで落ちて

空は何故か柔らかい
ミルクコーヒーのように
温かく、少し苦い
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