独占欲リズム/I.Yamaguchi
頃
俺はもう一度お前に手を伸ばした
眠りの世界から人間に戻ったばかりで
知恵の実のもたらす恥を知らず
あられもない声であえぐお前 の中に入っていった俺は
突き上げて、どんどんお前の中に融けていき
もっと奥まで入り込もうと背筋を上にそらせた まさにそのとき
太陽の光が目に入った
東向きで寝ていたんだから仕方がない
西向きで寝たら本当にあの世に逝っちまうからな
俺は腰の動きを止めずにまぶたをぬぐったのだけど
目をつむった瞬間に秒針の音が耳の中に入り込み、
カチ カチ カチ とあまりに単調すぎる音が
ビンカンになった俺の体
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