独占欲リズム/I.Yamaguchi
 


俺はもう一度お前に手を伸ばした

眠りの世界から人間に戻ったばかりで

知恵の実のもたらす恥を知らず

あられもない声であえぐお前 の中に入っていった俺は

突き上げて、どんどんお前の中に融けていき

もっと奥まで入り込もうと背筋を上にそらせた まさにそのとき

太陽の光が目に入った

東向きで寝ていたんだから仕方がない

西向きで寝たら本当にあの世に逝っちまうからな

俺は腰の動きを止めずにまぶたをぬぐったのだけど

目をつむった瞬間に秒針の音が耳の中に入り込み、

カチ カチ カチ とあまりに単調すぎる音が


ビンカンになった俺の体
[次のページ]
戻る   Point(2)