nayameruブタ/水町綜助
 
ポリバケツ

中華屋

僕は歩く

暗い会社

何件もの寺院

暗い会社

高速道路でも作るのか

何キロも先まで

縦長の空き地が途切れ途切れに伸びている

そのさきは新宿のビル群が見える成功都市かすんで

僕は都電雑司ヶ谷駅の線路をまたぐ

鉄錆の線路に小さな踏み切りトラ縞

開くのを待つ僕と老人と白いワンボックスカーとアジサイ色のTシャツのおばさん空気を見るような目そして銀色の自転車

わたりきるとすぐに大きな霊園の入り口があった

僕は中には入らず生垣を伝って歩いた

無数の墓石が湿っぽい雑木林の中に堆く積み上げられていた


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