気づかなかった/哀音
 
切ない
切ない恋歌を
繰り返し聞いて
口ずさんで


淡い
淡い期待のようなものを
浮かべては消し 浮かべては
重く胸に沈める


ずっと気づかなかった
前から聞いていたのに
前から繰り返していたのに

頭にはずっと
君の姿が揺れてたなんて

笑いたいときも
泣きたいときも
君がちらつくなんて

なのに君を
盗み見ることすらできないなんて

気づかなかった
誰かを想うことがこんなにも
臆病になれるものだなんて
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