流星群がつれてくる/夕凪ここあ
朝には忘れてく
明日が今日になった頃
眠りについた町でおんなのこ
ひとりで夜を掻き乱す
お月様のぬけがらを宿した指で
生まれた風
抜け落ちた音
今はもう、眠りについて
おんなのこが引っ掻いた
夜の隙間から
ぽろぽろと
零れる金平糖
もう空から
なくなってしまった
星の砕けたものだなんて
気づかないおんなのこ
まだないしょの方が似合う年頃
空の
点と点の間を
行き来する、眠る間に
金平糖の甘い香り
ひとつ、またひとつ
ぽろぽろと
零れてくそれを
とうめいとは、
知らない色だから
誰も呼べない
秘密を呼んだ
おんなのこでさえも}
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