サイレント、サイレント、サイレント、/いとう
 




雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる

ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマーという言葉は狩られたのかと訊ねると
少し考えて
わからないと言う
興味ない
閉じていることと
分けられていることは
交わることではない
静寂こそが
語るべき場を持たない者の聖地であり墓標である
サイレント、
私たちは何も語らない
私たちはすでに保護されている

ビルのふりをしているあれは
ほんの少しの刺激でも、ほら、あのように崩れ落ちていく
どのような背景とも重なり合える
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