しめやかなる葬儀/朽木 裕
 
生と死のあわいにあるような
手のひらの温度 くちびるの温度

境界を崩す行為はしめやかなる葬儀

(葬儀?…それは誰の…?)

白い白い手の甲に歯を立てて
暗澹たる闇に向けてひとしずく、泪

狂気の夜に黒き花嫁は傅く
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