主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。/とうどうせいら
 
大好きなあのひと

わたし
おいしいと思ってしまったよ

ごめんね

しゃくりあげながら
食べていると

君は悪くない

ってオオアリクイが
また
なでなでする

大きなカギ爪があるのに
なでる時は
爪が
わたしにあたらないのは

どうしてなんだろう


あれから
一年経ちました

ただいま

仕事を終えて
家に帰ると
オオアリクイが待っていて
わたしは
彼のばんごはんに
舌鼓を打つ毎日

スパイシーな
南国の味にも
ちょっと慣れてきた

でも時々
たまらなく淋しくて
なんにも手につかなくなる
オオアリクイは

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