Birthday/たちばなまこと
つけて
あかりを咲かせたい
花よ
大丈夫と言って
夜は青灰に抜け
浄化を待つものを 鮮やかに染め上げてゆく
光
光の中へ 走るように あなたを呼びに
誰もいない
誰もいない 孤独から這い出るように
痛みと手をつないで
もうすぐあなたと手をつないで
打ちよせる痛みの狭間で
あの祈りが時計の 4と5の間で見ている
手をつないで
3人で手をつないで
限りある永遠でも歩いてゆきたいと
眼を見開いて
あなたのいる新しい世界へ
私はもうすぐ羽を得て
あなたの呼吸を抱きしめる
無影灯 蛍光灯 映し出された時計に
湿っぽい朝の匂いが重なる頃
メレンゲになった私たち
秒針は
朝をささやく
遠く
遠く 目覚めた父親の声のように
私たちの糸を
ぎこちなくほどいてゆく
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